(※本記事は2024年1月13日にメルマガで発行された内容のものです。最新の情報を受け取りたい方はこちらから)
ブランディングの話をしようかなと思います。
差別化する上でブランディングは超重要課題ですからね。
とはいえ、そもそもブランディングとはなんぞや?というところからスタートしなければ、深い理解ができないと思うので、そこからお話しします。
ブランディングとは?
まずブランディングとは何かというと、
ブランディング=差別化すること
です。
ブランドの語源は「牛に焼印をつける」というノルウェーの古い言語からきています。
放牧された数多い牛のなかで「この牛は自分の農場の牛だ」と区別していたということですね。
例えば、ハンバーガー一つとっても、マクドナルド、ロッテリア、モスバーガー、バーガーキング、とたくさんのブランドがありますよね。
これらの違いを理解できるのは差別化されているからです。
例えば、
安い → マクドナルド
シェイク美味しい → モス
ボリューム → バーガーキング
とかみたいに僕は勝手に認識していますが、僕がそう認識しているということは
差別化されている証拠ですよね。あなたはハンバーガーブランドをそれぞれどんな風に認識していますか?
次に、
ブランディング=聖域をつくること
です。
ブランディングをするということは、聖域を作ること、
つまり、ライバルが入って来れなくなるということですね。
なので、ブランディングをすることは超重要なわけですね。
次に、
ブランディング=識別されること
これは、先ほどのハンバーガーの例をあげればすぐ理解できると思います。
「〜と言ったら●●だよね」
と認識されることになります。
そして、
ブランディング=ファンをつくること
ブランディングをしてブランドとして確立すると、ファンができるのです。
ルイヴィトンとかまさにそうですよね。
…
と、こんな風にブランディングとは何かと言われたら、これら4つの定義があると覚えておいてください。
そして、ブランディングのポイントとして忘れてはいけないこと。
それは、長い時間をかけて作るということ。
ブランドというのは1日で成立するものではないですし、
長い時間をかけて形成されていくもの
ということを覚えておいてください。
ブランディングのやり方
ブランディングの定義がわかったところで、次にどうしたらブランディングをできるのかを話します。
結論から述べると、複数のベネフィットを組み合わせることです。
複数のベネフィットに触れる前に簡単におさらいをします。
まず、ベネフィットとは”結果”や”未来”です。
お客様は商品を買っているのではなく、ベネフィットが欲しいから商品を買っているわけです。
つまり、『商品は壁』ということですね。
商品なんてお客さんは欲しくない。欲しいのは壁(商品)の向こう側にあるベネフィットが欲しいのです。
痩せるという結果(ベネフィット)が欲しいからサプリメントを買う
みたいな感じですね。
おさらいはここまでです。
では、複数のベネフィットとはどういうことかを話します。
実はベネフィットとは全部で4種類あるのです。
4種類のベネフィット
4種類は以下です。
1.機能的ベネフィット
2.情緒的ベネフィット
3.自己表現的ベネフィット
4.社会的ベネフィット
一つずつ説明します。
1.機能的ベネフィット
『こんな結果がほしい。だから買う』
というものです。
例えば、痩せた、ぐっすり眠れた、稼げた、モテた、など。
これは誰もが知っているベネフィットですね。
そして、差別化をするというと、一般的には機能的ベネフィットで差別化することが多く、その場合、より細分化して、ニッチな市場を見つけて新しい訴求を作ることがほとんどです。
もちろん、この方法は今も十分通じます。
しかし、なかなか難しいことも事実。
稼ぐ系であれば、より簡単に、より早く、より稼げる、などへ行きますし、ダイエット系であれば、
より痩せる、より早く、より楽に、などへ行きます。
これらは競合が増えればインフレが進んでどんどん誇大広告のようになってしまいます。
まぁ、一言で言えばうさんくさくなるわけです。
ラーメン屋さんで例えてみましょう。
ラーメン屋は今やとんでもない店舗数があります。
東京の池袋なんてラーメン激戦区と言われていて、半径100メートル以内にラーメン屋が5店舗以上あります。(昔よく行ってました笑)
それだけラーメン屋があれば、基本的にまずいということはありえないんですよ。
なぜならまずかったらそもそもラーメン屋として営業できないからです。
熾烈なラーメンバトルを生き残るなら当然です。
”おいしい”はもう当然で、そこからどう差別化するかがポイントになるわけですね。
しかし、ここで機能的ベネフィットを追求するとどうなるか。
素材を高級食材を使うとか、ボリュームを増やすとか、そっちにいくわけですね。
これはかなり悪手です。
なぜなら、利益をとるために、ラーメンの単価を上げる必要が出てくるからです。
するとどうなるか。
お客さんはラーメンの相場を知っていますから、単価の高いラーメン屋をみたらお店に入ろうとは思いません。
物珍しいと思う人はいるでしょうが、それでもリピートするかは別です。
結論、売れない。
…でもこれやっちゃうんですよねぇ。
ちなみに、僕が過去住んでいたエリアで高級食材を使っているという価格が2000円以上する
ハンバーガーショップがあったのですが、半年もたずに潰れました。
そりゃそうです。
なぜかと言えば、僕ら素人は味の違いがわからないからです。
機能的ベネフィットを追求した結果、高級食材を使ったとしましょう。
それは、ラーメン評論家たちの舌をうならせることはできるかもしれません。
「これは隠し味に●●が使われていてうんたらかんたら…」
と言うかもしれませんね。
でも、実際に食べるのは?
そう、評論家ではありません。
一般的な人ですよね。
なので、ぶっちゃけ味の違いなんてよくわからないんですよ。
「へー、なんか熊本産のチャーシューを使っているらしくてすごいらしいよ」
…この程度です。
なので、機能的ベネフィットを差別化する上で追求してはいけないよといいう話です。
そこで登場するのが残り3種類のベネフィットになります。
2.情緒的ベネフィット
『共感したから商品を買う』
『好きだから商品を買う』
『応援したいから商品を買う』
『感動したから商品を買う』
『体験したいから商品を買う』
こういうのが情緒的ベネフィットです。
例えば、●●というブランドの理念に共感したから買うというのは情緒的ベネフィットです。
どこのブランドか忘れましたが、一本ドリンクを買ったら、その金額の一部が海外の貧しい国へ寄付されるというものがありますよね。
それに共感して
「どうせ買うならこのドリンクを買おう」
となったのなら、それは情緒的ベネフィットで商品を買ったことになります。
というものですね。
もし、あなたが今、
「●●さんだから買ったのよ」
などお客様に言われるとしたら、それはお客様はあなたが好きだから商品を買っているので、これも情緒的ベネフィットです。
他にもオンラインで住むのに、わざわざ遠方から直接会いにきてサービスを受ける人っていますよね。
それは好きだからだけでなく体験したいからもあるからでしょう。
”体験したいから商品を買う”
これも情緒的ベネフィットになります。
情緒的ベネフィットは差別化する上で必ず使った方が良いものになります。
先ほどのラーメン屋で考えてみましょう。
味(機能的ベネフィット)は普通の美味しい、そこに、ラーメン屋の店主が創業から今にいたるまでの歴史をSNSで発信したとしましょう。
するとどうなるか。
その店主の創業ストーリーに感動したから商品を買う(情緒的ベネフィット)人もいれば、そんな背景があるラーメンを一度食べてみたい(情緒的ベネフィット)人もあらわれるわけですね。
そして、一度食べた時に、店主と喋ってみてそれがキッカケとなり、店長が好きだからラーメンを食べに行く(情緒的ベネフィット)ということも発生します。
イメージできるでしょうか?
こういう風にすると機能的ベネフィットだけで差別化する必要がなくなるのです。
3.自己表現的ベネフィット
『こんな風になりたい。だから商品を買う』
というものです。
例えば、キムタクがはいたジーンズは飛ぶ様に売れるわけですが、それは、
”キムタクのようになりたい”
と思う人が買うわけですよね。
これは、自己表現的ベネフィットです。
みんな憧れを買っているのです。
他にも、ハーレーダビットソンというバイクがあります。
あのバイクは、荒野をライダースジャケットを着て自由に走るライフスタイルが好きな人たちが買っています。
機能的ベネフィットではないのです。
あのライフスタイルに自分もこうなりたいと思ったから買うのです。
また、アストンマーチンという外国車があるのですが、これはもちろん、機能的ベネフィットはベンツやレクサスに負けます。
でもなぜ売れるのかというと、ジェームズボンドが好きな人が買うからです。
アストンマーチンは映画『007』のジェームズボンドが乗っている車なんですよね。
なので、ジェームズボンドのようになりたいと思っている人は買うのです。
余談ですが、日本車って海外で中古車で結構出回っているんですね。
昨年行ってきたニュージーランド、ニウエはほとんどの国民が日本車を乗っていました。
理由を聞くと口を揃えて
「日本車は壊れないから」
と言ってました。
これが意味していることは、日本車は機能的ベネフィットは圧倒的に海外より優れているということです。
なので、みた感じかなり古い自動車をまだ乗れると乗っているのです。
さすが職人の質はダントツと言われてるだけはありますよね。
逆を言えば、外国の車は、機能的ベネフィットは水準は高いけれど、そこでは戦っていない(戦っても意味がないから)ということがわかりますね。
では自己表現的ベネフィットを自分のビジネスに入れるためにはどうするか。
それは、ライフスタイル(世界観)を見せてください。
ハーレーダビットソンは荒野をライダースジャケットを着た男たちが自由に走る姿を見せています。
アストンマーチンはジェームズボンドの世界観ですよね。
あまり書くと長くなるのでここでは割愛しますが、
Apple社のMacBookやスタバ、このあたりも自己表現的ベネフィットを使って売っています。
どの辺りが自己表現的ベネフィットなのかはぜひご自身で考えてみてください。
4.社会的ベネフィット
『このコミュニティの仲間になりたい。だから買う』
というものです。
例えば、エクシブという会員制の高級ホテルがあります。
ここは成功者たちが使うホテルと言われていて、そのため、会員費が高いです。
にもかかわらずここの会員権を買う理由は、自分もエクシブの会員の仲間になりたくて買うのです。
機能的ベネフィットではないのです。
会員制クラブなどもそうですね。
オンラインサロンも社会的ベネフィットです。
ちなみに、西野さんのサロンに参加してる人は西野さんが好きで(情緒的ベネフィット)、街を作ることに共感していて(情緒的ベネフィット)、あこがれの西野さんに近づきたくて(自己表現的ベネフィット)、そんな街づくりをしている仲間に自分もなりたい(社会的ベネフィット)からお金を払って参加しています。
ね?ベネフィットを複数くっつけていますよね。
他にも、ちょっと変わり種の事例を持ってくると暴走族もそうです。
あのコミュニティ(暴走族)に入りたい(社会的ベネフィット)から、特攻服を買って参加するのです。
差別化の方法は無限大
長くなりましたが、ベネフィットは4種類あるということをお伝えしました。
あなたは、4種類のベネフィットを使って、
自分の商品(ブランド)をブランディングしていけば良いのです。
こう考えると、差別化に頭を悩ませることなく無限の可能性が出てきませんか?
もちろん、競合のリサーチはします。
するのですが、自分は機能的ベネフィットで差別化しようとしなくて、別軸で考えることができるわけですから。
そして、これらの組み合わせは無限大なので、ぜひ色々考えてブランディングをしてみてください。
以上、ブランディングの話でした。
(※本記事は2024年1月13日にメルマガで発行された内容のものです。最新の情報を受け取りたい方はこちらから)
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